trajectory

思いついたことや考えたことの記録。ブログの目的は情報の対称化(判断材料の提示、標本収集など)です。雑記やはてブの補完なども。更新はムラあり。

オタクで、フェミニストで、表現の自由戦士。/ブログの意図の再確認

 改めて、このブログの目的や範囲についてまとめておく。

 

最終的な目標

 自分が持つ前提知識を共有し、思考過程を記録し、世界を解読・解釈していくことで、この世界から見えないところを減らす。各人が自分にとって正しい選択*ができるよう、情報の対称化を目指す。

 藁人形叩きと戦争ごっこをやめ、普通に対話・意見交換ができる環境を目指す。少なくとも、はてな内だけでも。

 藁人形叩きと戦争ごっこを煽る邪悪な武器商人をこれ以上肥え太らせないようにする。

 

※ここでいう「自分にとって正しい選択」とは、十分な知識や誤りのない情報があればそれを選ぶだろう選択、ということ。それが何かは各人で違って当たり前。

 

前提条件

  • 2022年4月4日、日経新聞朝刊に漫画『月曜日のたわわ』の全面広告が掲載されたことについて、ネットで様々な立場からの意見が噴出し、いわゆる炎上状態になったこと。
  • 炎上の様相が、「オタク陣営vsフェミ陣営」「男vs女」が「表現の自由」「性描写」について争い、憎しみと偏見をぶつけ合う、あのいつもの「戦争」であること。 
  • 数年前から、萌え絵、オタク系の絵に絡んで、何度も同様の事例が起こっていること。
  • オタク趣味があり、リベラル、フェミニストと見なされがちな思想・価値観を持つ(のでもちろん自由と平等を大切にする)女性の自分は、その手の「戦争」にほとほとうんざりしていたこと。

 

きっかけ

  • 田中辰雄氏が同広告について意識調査を行い、SYNODOSに掲載されたこと。
  • 上記SYNODOS記事内の一つのグラフが無断転載等により拡散され、「たわわ広告を問題視しているのは40代以上のオバサンだけ。若い女の子は萌え絵の味方」といった皮相な言説が流布したこと。
  • まじで?と思って記事を読むと、統計結果の分析・解釈にいささか引っかかるところがあったため、増田(はてな匿名ダイアリー)内でいくつか自分なりの分析・解釈を試みたこと。
  • それぞれ男性と女性であるはてなユーザーid:Shin-Fedorさんとid:sametasharkさんが「たわわ」広告への反応について言葉を交わす中で書かれた、お二人の視点からのブログ記事を読んだこと。
  • そこから、属性の違いによって見えていることが絶望的に違い、そのために本来なら近い立ち位置の人々が無駄に争い合っていると気づいたこと。
  • id:Shin-Fedorさんの眩しいほどまっすぐな言葉に感銘を受ける。
  • 「みんな(ちょっとえっちな)オタクでフェミニストで自由戦士」だし、「少数派の何が悪い。多数派だったら偉いのか」だ。一人一派でいこう。

 

今後していくこと

  • 日経たわわ広告などの萌え絵炎上案件を材料に、表象概念や Male Gaze概念、SYNODOS記事のデータなどを用いて考察を進め、まずは炎上の発生と継続のしくみ、あのいつもの戦争ごっこに繋がるしくみを解明したい。
  • あとは適当に興味のあることをぼちぼち。

 

 自由研究みたくなってきた。

 

 

 

アイコンについて。

 2022年5月5日、アイコンをいらすとやさんの宇宙人にしました。

 世界には、善良で優しく、良識的な地球人の皆さんと、友好的な宇宙人👽と、害悪性の強い鬼・悪魔👿がいます。いきなりデンパなことを言い出しましたがご安心を。思考のスタイルとか、内心と表現の直結具合の比喩と考えてください。

 地球人

 地球の人は基本的に善良で優しく穏当で、傷つきやすくて繊細です。自分がこんなことを言ったら相手はどう感じるだろう、と人の心を思いやって発言します。思うことがあってもあまり率直には口に出しません。常識や慣行を自然と身につけています。みな自分と同じように善良と信じやすく、その善良さにつけこまれて鬼・悪魔系の餌食になりやすいです。おそらく人口の8~9割の人がこのタイプです。

宇宙人

 宇宙人は、地球の常識や慣行をあまり知らず、無神経さで地球の人を傷つけやすく、社交が不得手です。ただ、基本的には友好的だと思います。世界征服などに興味はないですし、争いごとも嫌いです。地球のことは好きですがよく知らないので、いろいろ観察し、考察し、率直に口に出します。たぶん、人口の1割弱くらい存在します。

 宇宙人と鬼・悪魔系との違いは、フェアさです。わざと傷つけようとして傷つけている訳ではない(そうすることもなくはない)、嘘や精神的圧力や暴力、数の力で人を支配し、行動や思考をコントロールしようとはしない、争いを煽って楽しんだり、儲けたりしようとはしない、ということです。

鬼・悪魔系の人

 様々な形での害悪性は強いですが、幸い数的にはごく少数です。私が「表現の自由戦士」と区別するために作ったラベル、『表鬼くん(表現の餓鬼)』もここに含まれます。天使や神もどっかにいるのかも。

 

 私はおそらく宇宙人です。鬼・悪魔系の人とはできるだけ関わりたくないですし、地球の方とは、世界を知るためにできるだけ有益なやりとりをしたいと思います。今後ともよろしくお願いします。

 

 ちなみに、宇宙人の特徴として、他者の負の感情に強いです。感情的な繋がりのある人からの感情はそれなりに効きますが、それのない相手、例えば、最初から敵対的な態度の人や、自分が無関心な人の悪意や負の感情は受け取りにくいと思います。

 相手に怒られたら「勝手に怒ってろ」、泣かれたら「なんか泣いてる…」、嫌いと言われたら「そうですか」、バカと言われたら「どっちがバカだよ」みたいのが基本スタンスです。思うに、ハトクロの黒澤さんもこのタイプなところがあるんではないかと…勝手な観測ですが。

 

 こういう分類は楽しいので(出自や身体的特徴などによる差別にならない範囲であれば)、もし自分はこんな感じに人を見てるという分類法をお持ちの方は、教えてもらえると嬉しいです。

 

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 この比喩と分類法は、漫画『エスパー魔美』の「くたばれ評論家」を題材に表現(言論)と内心の自由の関係を考えているときに思い付いた。

 「くたばれ評論家」の中には悪魔は登場しない。他の回にはいる。

 評論家の剣氏=宇宙人、魔美=子供の純真な地球人です。パパの十朗氏と親友の高畑さんは(精神的に)大人の地球人。

 

 「くたばれ評論家」を題材に取り、表現の自由について考える記事をいつか書く気ではいる。他の回だと、ヌードとポルノと主体性とか、芸術無罪とか、内心の自由、価値観の相違についてとか。それがエンタメとして楽しめる少年漫画の題材になるって、すごいよね。

 『エスパー魔美』は、主人公の少女がほぼ毎回全裸になる少年漫画でありながら不思議なほど女性の愛読者が多い、奇跡的なバランスで成り立つ名作だと思います。